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  3. 2017.11.10

体験型インバウンドで地域活性。地方ブームに見る集客のポイント


インバウンドは、「爆買い」に象徴される買い物中心、都市部集中の旅行スタイルから、日本での体験を求める「コト」重視に移っています。これにより、地方でもビジネスチャンスが広がり、すでにインバウンド誘致に成功しているところも出てくるようになりました。

ここでは、昨今のインバウンドの傾向と、集客に成功している地方の取り組みポイントを紹介します。

「体験型」インバウンドは地方に追い風

日本政府観光局によれば、2016年のインバウンド数は、前年比約22%増の2,404万人で過去最高となりました。2020年の東京オリンピックに向け、インバウンド数が年々増加するのは確実とみられています。

近年の傾向としては、訪日旅行リピーターとして個人旅行を楽しむ人が増加していることが目立ちます。電通が行った「ジャパンブランド調査2016」の結果をみると、地方ブームが加速しているのが顕著になっています。とくにアジア圏の関心は東京よりも地方に移っており、行きたい都道府県の1位は東京以外の地方都市となりました。

これらの旅行者が目的にしているのは、日本ならではの体験をすること。温泉や桜、ローカルフードといった日本の自然や文化に触れることを旅行の目的とすることが多くなっています。とくに季節やエリアが限定されているものの人気が高くなっていることから、地方こそ、インバウンド需要が高まっていると言えるのです。

実際に、積極的なインバウンド誘致を行い、成功を収めている地方が出てきています。ここからは、インバウンド需要を上手く取り込んだ実例を紹介しましょう。

外国人観光客もご利益重視?お遍路体験が人気【香川県】

香川県は、2016年にインバウンドが急増した地域のひとつです。楽天が発表したインバウンドの人気急上昇ランキングでは1位となっており、なかでも人気なのが、高松・さぬき・東かがわ地域。3年ごとに開かれる「瀬戸内国際芸術祭」の拠点となったこともあり、前年の3.4倍の外国人が訪れています。また、海外ドラマのロケ誘致を行い、後に観光地化する「ロケツーリズム」にも成功しています。

四国は、さまざまなインバウンド向けのサービスを展開していることでも知られています。例えば、JR四国は、四国内の鉄道6社が乗り放題になるインバウンド向け鉄道パス「ALL SHIKOKU Rail Pass」を発売。他にも、県や経済連合会、旅行関連事業者が一丸となって、四国のすばらしさを感じられる風景や街並みを選定してPRする「四国八十八景プロジェクト」を発足し、インバウンド誘致に貢献しています。

さらに、欧米を中心に、四国88カ所のお遍路を体験したいと考える人も増加しています。2015年、観光庁は「スピリチュアルな島 ~四国遍路~ Spiritual Island ~SHIKOKU HENRO~」というコースを認定。お遍路はもちろん、日本の歴史やおもてなしの心をたっぷり堪能できるなど、インバウンドのニーズをしっかりと捉えた施策を講じています。

商店街も奮闘!訪日観光客の利便性向上で集客【岡山県】

岡山県も、2016年にインバウンドが急増しています。岡山県が発表した「平成28年7-9月の岡山県外国人旅行者宿泊者数の概要」によれば、訪日台湾人は前年比212.2%、全体では1.4倍のインバウンド誘致に成功しています。

この背景には、2016年7月に台湾―岡山直行便が就航したことに合わせ、積極的な施策を講じたことがシナジー効果となったことがあります。例えば、「おかやま観光コンベンション協会」では、日本語・英語・簡体字・繁体字・韓国語といった多言語での情報配信をしており、県内の魅力を積極的にアピールしています。

これに加え、後楽園(庭園)や岡山城といった観光名所のほか、中心部の商店街にも免税システムを導入し、買い物促進を図っています。

さらに、JR西日本は、「JR-WEST RAIL PASS(Sanin & Okayama Area Pass)」というインバウンド向けチケットを販売。これにより、岡山を含む山陰エリア内は特急列車を含めて乗り放題になり、さまざまな都市に訪れやすくなっています。

インバウンド誘致は地方の資源を見直す機会

インバウンドの訪日目的が「コト」体験に移ったことで、地域の資源を活かして外国人の興味関心を引き付けることができるようになりました。新しいものを産み出さなくても、すでにあるものを見直せば、眠ったままの資源が見つかるかもしれません。

情報発信やサービス提供の手法など、ちょっとした工夫を加えることがインバウンドの注目を集めることに直結します。地方への視線が注がれている今、多くの地方にインバウンドのビジネスチャンスが広がっているのです。

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