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  3. 2017.11.21

海外進出のトラブル事例6つ。リスクを回避する方法とは


ビジネスの成長機会として越境ECが話題にのぼることが増えています。海外進出は中小企業にとって身近なものになり、その対象国も増加傾向にあります。しかし、海外でのビジネス展開には、日本では想定していなかったようなリスクが存在するものです。ここでは実際に起きたトラブルを紹介しつつ、事前の対策の重要性を解説します。

進出国の法規制を知らずにトラブルになった事例

事例1 法規制により税関で食材が止められた
海外の回転寿司レストランのバイヤーから引き合いがあり、契約後、商品となる寿司ネタを送ったところ、税関で止められてしまったというケースがあります。理由は、食品加工に使用される着色料。許可されていない成分が含まれていたことが原因でした。

食品添加物の基準は、国によって違いがあるものの代表です。事前に規制情報を下調べし、認められていないものについては、別の成分に変えるなどの対応が必要です。

事例2 契約締結したにも関わらずロイヤリティが支払われない
環境技術のライセンスビジネスで、契約締結の上で技術移転を行ったものの、ランニング・ロイヤリティが支払われないというトラブルが起こりました。

ライセンス契約は複雑な条件を不随しなければならず、特に注意が必要です。場合によっては技術情報の取得を目的としていたり、こちらに不利な条件や抜け道を付けてくる悪質なケースもあります。契約書作成の時点で法令や条例、各種の規則を調べるのはもちろん、ビジネス感覚の違いによるトラブルも考慮しておく必要があります。

どちらのケースも、事前の情報収集を十分に行っていれば回避できたトラブルといえます。相手国の法規やビジネス習慣に関する情報収集を自社のみで行うには限界があります。必要に応じて現地の法令に詳しい弁護士やコンサルタントを活用することを想定するのも賢明な判断でしょう。

海外のビジネスパートナーとの間でトラブルになった事例

事例3 安易に独占代理店契約を結んでしまった
海外の貿易商社経由で引き合いがあり、相手企業の希望により総代理店契約を締結。テスト販売用商品の輸出などを始めたものの、その後の展開が進まなくなってしまったというケースがあります。

総代理店契約は独占契約のためリスクが高く、場合によっては、その国でのビジネスチャンスを棒に振ることにつながります。契約前に財務調査や販売力調査などを慎重に行い、状況に応じて、非独占の契約からスタートするようにします。

事例4 言語の理解不足で相手側に有利な契約書を作成してしまった
契約先企業に日本語が堪能な担当者がおり、商談や契約書の作成を日本語で行うケースもあります。ところが、相手国の役所に提出する必要があるなどの理由で、現地語の契約書を作成させたところ、知らない間に日本語の契約書にはない不利な条件を明記されていたというものです。

このケースでは、現地語の契約書は日本語の翻訳文だと伝えられていることもあり、悪質としかいえません。ですが、役所に提出して許可を得た後ではあとの祭りです。契約書は日本語か英語のどちらかひとつで作成するべきです。また、解釈の違いを主張されるリスクを考慮し、日本語の契約を優先することを明記しておくようにします。

これらのケースは、安易な判断がトラブルにつながった例です。契約書作成にあたっては、現地の法令に詳しい専門家に作成や確認を依頼し、疑問点や不利な点をクリアしてから契約を締結するようにします。

マーケティング不足によりトラブルになった事例

事例5 「技術力だけが武器」と勘違い。提案力の乏しさから受注できず
海外の展示会でブースに来た顧客候補との交渉では、代理店などを介さず直接アクセスしていれば十分だと考える企業も多いようです。しかし、こうしたケースでは、相手が求めるベネフィットを提案できず、契約に至らないことが多くみられます。

日本国内で通用した技術力や信用も、海外では通用しないことがあります。どんなに技術力が高くても、そのメリットを伝えられなければ意味がありません。自前主義では限界もあるため、顧客候補との交渉は代理店などをパートナーに迎えるなど、効率的で契約率が高い方法を模索することも視野に入れる必要があります。

事例6  海外バイヤーにアプローチを試みるも反応がない
海外市場開拓を目指し、国内と同じ感覚で販促を行っているケースがあります。例えば、会社名鑑やデータベースを活用してDMを送るといった方法では、海外進出においては思ったような成果が上がりにくいでしょう。

商談につながらない理由として、相手企業のバイヤーが多忙であることと、信用を獲得できていないことが挙げられます。自社製品の優位性や利益につながる点を効果的に伝えることに加え、自社ホームページの英語化などに取り組み、相手が興味を持った時にすぐ情報を見てもらえる体制を整えておくことが重要です。

海外での市場開拓では、国内での経験則に沿った手法より、現地に合わせた販売戦略のストーリーを描いて着実に行動するほうが成功につなげやすい傾向があります。他社の成功事例を参考にしたり、代理店を活用したりして、具体的なビジョンを持つことからスタートするようにしましょう。

トラブルの発生は事前のリスク把握ができていないため

海外展開では、トラブルに見舞われる企業がある一方で、リスクを克服して海外での実績を着実に上げている中小企業も多数あります。トラブルの多くは、事前のリスク把握と対応策によって回避できることも多いため、専門家の意見を取り入れながら準備することをおすすめします。

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