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  3. 2017.12.06

「道」が観光資源に!スポーツで地域活性する取り組みに注目


2011年に観光庁が「スポーツツーリズム推進基本方針」をとりまとめ、注目が集まっているスポーツツーリズム。地域の資源をいかしながら交流のきっかけをつくる取り組みとしても、期待が高まっています。今後さらに盛り上がりが見込まれる、スポーツツーリズムの動向について紹介していきましょう。

スポーツツーリズムとは

スポーツツーリズムは、スポーツとツーリズムの融合であり、スポーツ観戦や参加を通して新しい旅行の魅力を創出することです。各所で行われるスポーツイベントによって地域観光資源の顕在化を図り、国内観光や訪日観光客誘致を活性化していきます。

観光庁では「スポーツで旅を楽しむ国・ニッポン」をコンセプトに、スポーツを活用した観光まちづくりに向けてさまざまな取り組みを行っています。2010年に発足した「スポーツ・ツーリズム推進連絡会議」には関係省庁以外にも、スポーツ団体、観光団体、スポーツ関連企業、旅行関係企業、メディアが加わり、スポーツツーリズムの認知度向上が加速しています。

スポーツツーリズムでは、スポーツをさまざまな面から楽しめる環境が観光目的になるのと同時に、他の観光資源と組み合わせ、地域の独自性を打ち出していくことが大きな狙いです。

2020年の東京オリンピック開催に向けて、インバウンド需要に対する期待はますます高まっています。ここではスポーツツーリズムの中でも、特に地域資源を活かしやすく、日本国内でも人気の高いランニング、サイクリングに着目していきましょう。

地域の特色をいかした「ご当地ラン」

参加への抽選倍率が12倍以上という人気を誇る東京マラソンを始め、マラソンには常に多くのファンからの注目が集まります。ひたすら走るというシンプルな競技に、スポーツの原点としての魅力を感じ、ランナーのひたむきさに目を奪われる人も多いようです。

全国ご当地マラソン協議会では、全国各地で開催されるご当地マラソンの情報を発信し、地方色豊かなマラソン大会の魅力を伝えています。大規模な国際大会とはまたひと味違う、おもてなし趣向が光るマラソンイベントには、海外からの参加者も見られるようになってきました。

さくらんぼの生産量日本一を誇る山形県東根市では、さくらんぼがルビー色に実る時期に合わせて「果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会」が開催されています。さくらんぼを味わいながら、美しい果樹園の間を駆け抜ける体験に魅了され、毎年必ず参加するというランナーも多数います。周囲には良質の温泉も多く、マラソンをきっかけとする観光客誘致にひと役買っています。

ランニングと観光業界の補い合える関係から想起されたランナー向けサイト、「ラントリップ」もスポーツツーリズムの一翼を担うビジネスモデルとして注目されています。ラントリップでは、ランナーがよい道を求めて旅をするスタイルを提案。「知らない道を走るのが楽しい」というランナーのニーズに応えながら、「道」を観光資源へと進化させています。

「その土地ならでは」を感じるサイクリング事業

マラソンと並び、道を観光資源にするスポーツがサイクリングです。「ツール・ド・ニッポン」では、「走って遊べる、自転車のイベント。」をコンセプトに、旅行気分で参加できる自転車イベントを開催しています。

四季折々、全国の山岳、湖、温泉地などを巡るロングライドや、サーキットでの耐久レースも実施しています。各イベントの種類や参加ルール、提供されるサービスなどを網羅したツール・ド・ニッポンのサイトからは、全国の自転車イベントの情報を確認できます。

ツール・ド・ニッポンの取り組みと連携するのが、2017年に設立された「全国サイクルツーリズム連携推進協議会」です。協議会ではイベント以外での観光誘致を目指し、「ガイド付きサイクリングツアーの実施」や「サイクリングガイドの養成」などを企画しています。また「外国人サイクリストのモニタリング調査」など、インバウンド需要の拡大に向け、サイクリングを新たな観光資源とする動きをサポートしていきます。

スポーツツーリズムの大きな流れとともに、サイクリングの観光価値が認識され、国内外からの観光誘致のための新しい提案が始まっています。

観光客誘致につながる「道」の魅力を再発見

健康への意識の高まりによって、ランニングやサイクリングを趣味とする人が増えてきています。地方で開催されるイベントにも注目が集まりやすくなっている現在、情報の発信が重要なポイントになります。スポーツツーリズムでは、地域住民には見慣れたごく当たり前の風景や土地が観光資源としての価値をもちます。今後は海外からの誘致も視野に入れ、地域独自の魅力をアピールすることが求められます。

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