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  3. 2017.12.19

EC担当者が知っておくべきオムニチャネルの事例と取り組むメリット


実店舗とECの売上最大化を目指す戦略として注目されるオムニチャネル。スマホの普及とともにEC市場が拡大する中、米国で始まったこの戦略は、日本でも重要な手法となりつつあります。ここでは日本で取り組まれているオムニチャネルの実例を紹介しながら、メリットをみていきます。

オムニチャネルのポイントはネットとリアルの「融合」

オムニチャネルとは、顧客との接点になるネット、実店舗などすべてのチャネルを融合することをいいます。オムニチャネルに最初に取り組んだのは米国の小売業といわれ、背景にはスマホの急激な広がりからECの利用者が増大し、実店舗の売上に影響していたことがあります。また、店頭で実際に製品を確認したのち、WEBで最安値の商品を見つけて購入する「ショールーミング」が広がり、店舗をもつ小売店では新たな取り組みが必要になっていました。

オムニチャネルが注目される以前にも、大手企業を中心に、複数のチャネルで顧客と接点をつくる動きはありました。これは「マルチチャネル」と呼ばれるもので、たとえば、店舗に買い物に来る人にネットショップの存在を知らせ、購入機会を増やすという試みです。ただ、マルチチャネルではそれぞれのチャネルは単独の存在で、サービス内容やオペレーション、データ管理などはチャネルごとに検討されていました。そのため、企業にとってのメリットは限定的なものとなっていました。

オムニチャネルも複数チャネルで顧客接点をつくるという点ではマルチチャネルと同様ですが、異なるのは、それぞれのチャネルの特性をいかしながら、チャネルを融合する点にあります。たとえば、商品在庫やオペレーション、データ管理を統合するなど、総体的な販売戦略をとることができます。これにより、顧客とのつながりを強化し、より満足度の高いサービスを提供できるメリットがあります。

実店舗とECモールを結んだ「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」

ここからは、日本で行われているオムニチャネルの例を挙げてみましょう。

三井不動産株式会社が運営する「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」は、同グループが運営する商業施設「三井アウトレットパーク」と連動したファッションECモールとして注目を浴びています。

アパレル店舗では、欠品による販売ロスが10~20%にものぼると言われています。一方で、その店舗には在庫がなくても他の店舗や倉庫には在庫があり、最終的に売れ残るケースもあることから、多くのムダが発生していました。

この課題を解消するため、「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」では欠品商品があった場合にはタブレット端末を使ってその場で他の店舗や倉庫の在庫を即座に確認し、在庫があれば、その場で決済。商品は自宅で受け取れる仕組みをつくりました。また、三井アウトレットパーク出店社は、約1,000万人のポイント会員にリーチする権利を持てるため、実際に店舗に足を運び、ECショップでも買い物をするという相乗効果も期待されています。

さらに、店頭のタブレットにショップ店員の個人評価ができる仕組みを開発。コーディネートの提案などから販売につながった時に、システム上に記録を残すことができます。これにより、個人を評価することが可能となり、店舗スタッフのモチベーションアップにつなげるなど、店舗の活性化支援にも一役買っています。

新しい買い物スタイルをつくる「セブン&アイホールディングス」

近年では、ネットスーパーが注目を浴びていますが、「セブン&アイ・ホールディングス」では、さらに進んだ取り組みを進めています。スーパーで扱う商品だけでなく、さまざまな店舗や商品、サービスを取り込むサービス「omni7」の提供です。ここで注文した商品であれば、他社商品であってもセブンイレブンで受け取ることができます。つまり、近くにスーパーや百貨店がない地域でも、セブンイレブンさえあれば変わらぬショッピングができるということ。返品や返金もセブンイレブンで行える点もユーザーの安心材料となります。

すでに、一般的なネットスーパーよりも多種多様な商品を扱い、ロフトや赤ちゃん本舗などの商品が購入できることから人気が高まっています。今後、さらに商品を増やす計画で、2018年には600万アイテム、売上高1兆円を目指しています。

まとめ

オムニチャネルは、顧客との接点を増やしたり扱う商品数を増やしたりすることで売上最大化を目指すだけではなく、顧客とのつながりを強める手段としても重要視されています。今後ますます進化や多様化が期待される手法であり、新たな可能性を開いてくれる点に期待できます。

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