1. 事業革新
  2. 組織・人事
  3. 2017.12.21

人手不足をアイデアで解消する!中小企業のスゴイ工夫事例


人手不足は、中小企業が常態として抱える課題のひとつです。売り手市場といわれる昨今、優秀な人材の確保はますます厳しくなっています。しかしそこで黙って眺めていても状況は改善されません。人材確保に向け、アイデアで乗り切っている中小企業の事例を紹介していきましょう。

柔軟な勤務制度で成功した事例

●株式会社オハラ
石川県金沢市に本社を置く株式会社オハラは、こんにゃく製造から始まった半世紀以上の歴史を持つ食品メーカーです。

流通に乗らない規格外の農産物や地元でとれる能登栗の活用などによって、地域に根差したオハラブランドを確立し、需要拡大という喜ばしい成果を生み出しました。しかし、工場の人手不足により、思うように稼働を伸ばせないという課題に突き当たっていました。

そこで生み出されたのが、「早朝の短時間勤務制度」導入です。2013年から60歳以上パート社員を、“達人”として募集。高齢者に負担のない午前5時から午前9時30分までという勤務条件により、多数の応募を確保するに至りました。

●株式会社minitts
「国産牛ステーキ丼専門店 佰食(ひゃくしょく)屋」で知られる株式会社minittsは、京都に拠点を置く企業です。飲食業界では珍しい9時から17時45分の固定勤務時間を採用し、従業員の定着に効果を上げています。

「長時間労働・低賃金」という印象が強く人手不足に悩む飲食業界にあって、思い切った英断ができたのは、子育てと仕事の両立に悩んだ、minitts代表中村朱美氏自身の経験によるものでした。

ランチタイムを中心に100食売り切り方式とすることで、接客の質も向上し、着実な売上につながっています。子どもをもつ女性でも働きやすい、柔軟性のあるタイムシフトが評判となり、他店からの転職希望者が後を断たないという嬉しい結果を得られました。

多様な人材確保で成功した事例

●株式会社LiB
株式会社LiBは、「キャリア女性の転職支援」を中核事業とする企業です。多様な能力をもつ人材を確保するために、フルタイム雇用という枠組みを撤廃し、企業経営者やフリーランスを正社員として幅広く登用。 「複業」を前提とした新たな人材活用モデルで、注目を浴びています。

時短勤務とリモートワークの組み合わせで高い業務成果を実現しており、子育てや介護と仕事の両立という課題に対するひとつの成果となっています。オンライン・コミュニケーションツールの活用、成果重視の公正な評価といった工夫により、これまで活用しきれなかった人材層までも取り込んでいます。

●株式会社ペンシル
創立から20年余の歴史をもつ株式会社ペンシルは、顧客の9割を東京圏にもつ福岡県のウェブコンサルティング会社です。

コンサルタントがコア業務に集中できる環境を整えるため、「メイト制度」を導入し、子育てや介護などによりフルタイムで働けない人材を効果的に活用しています。レポート作成や調査、チェック作業などの運用に関わる業務をメイトに切り分け、パートの時間内で消化できるような業務体制を構築しました。

メイトシステムの導入により、全体の時間外労働は35%減となり、主力部隊のコア業務への集中が実現しています。また、メイトを採用することで女性視点が加えられ、コンサルタントの精度が向上したといいます。今後はシニア世代の採用も積極的に増やしていくことで、さらなる事業強化を進めていくようです。

スキルアップできる教育体制で成功した事例

●株式会社アポロガス
福島県福島市に立地する株式会社アポロガスは、地元密着企業としてエネルギーから住まいに関するサポートまで45年にわたり行ってきました。

こちらの一風変わった新入社員研修が、1年間のラジオDJ体験です。地元FMラジオのパーソナリティーとして、テーマ決めからゲスト選定、原稿作成とすべてに関わります。ラジオ放送を通じ、他社の若手社員をゲストとして出演させること、さらにファンレターを100通集めるというミッションを負います。

この研修では、地域に向けて自らのことばで発信できるコミュニケーションスキルと、立案、アイデア出しといった実践的な業務能力が身につけられるといいます。入社前の説明会では社長自らが、「ラジオ研修」について丁寧に伝えている点もポイントです。尻込みせず、前向きに取り組める学生だけを会社の一員として採用でき、未来の戦力が確保されています。

●旭電気株式会社
三重県四日市市の旭電機株式会社は、制御盤コイル、モーターを製造する従業員数200名あまりの企業です。

従来主力製品とされていたコイル製造は、細かな手作業が必要とされ、女性の適正にもマッチした業務でした。しかし、ここに新規事業の展開による制御盤の設計などが業務に加わりました。新しい仕事については不安をもつ女性従業員が多かったため、その対策として「ワンポイントレッスン」という新たな教育体制を整備することで解決を図りました。

1日に専門技術をひとつずつ積み重ねるという無理のない方式で各々のスキルの底上げに成功し、従業員の自信につながっていきます。加えて妊娠や育児に配慮した人事制度、フレックスタイム制の導入などで女性が仕事を続けやすい職場づくりを実現しました。

熟練者と未熟練者の組み合わせ、作業の細分化など、業務へのきめ細かな工夫が光ります。教育と職場環境の整備によって、継続的に働ける職場を目指し続けた結果、人手不足が解消されています。

出典元:中小企業庁「人手不足対応100事例」より
http://chusho-jinzaibank.jp/hitode100/

魅力ある職場環境づくりで人手不足を解消

大企業のように就活者への強いアピール力を持つことが難しい中小企業でも、独自の工夫で魅力ある職場環境を生みだし、人材を確保している例は多数あります。固定観念を払拭すれば、人手不足解決の糸口が見つけられる可能性は広がります。ここで紹介した事例を参考に業務を見直し、魅力ある企業風土による人材確保を目指してみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Introduction

あわせて読みたい