1. 事業革新
  2. 2018.01.12

3人しかいない集落に人が集まった!住民が活躍している地域活性事例

地域経済の活性化を目指したさまざまな取り組みが推進されているなかで、行政に頼らず、住民の働きかけによって豊かさを実現している事例もみられるようになりました。ここでは、住民の活躍が光る地域活性事例を紹介していきます。

3人しかいない集落がイベントを通して集客(三重県紀北町)

三重県紀北町下河内地区は、かつて街道の要所としてにぎわい、多くの人が住んでいました。しかし、高齢化が進んだ現在、 2 世帯 3 人という極小の集落となっています。この小さな集落に、さまざまなイベントを通して年間900人あまりが訪れているといいます。

イベントを主催しているのは、この地に縁のある人々によって発足された「下河内の里山を守る会」です。休耕田を活用したそばの栽培から始め、そば打ち体験の実施や地元特産物の植え付け・収穫体験など、活発な活動を展開しています。

2010 年からは「下河内の日」を設定し、こんにゃくつくり体験、おかしつくり体験、語り部と歩こう下河内ウォーキング、親と子の自然学習、さらに地域の食材をつかった農家レストランなど、里山の魅力を存分に生かした企画が実施されています。

こうした取り組みを地元住民の力で継続していくには、チームワークが必要であると同時に、自らが楽しみや生きがいを感じられる場であることが重要といえます。たんに人を集めるだけではなく、地区内外の人々との新たなつながりをつくる機会を生み出している点は、これからの地域活性施策のポイントになりそうです。

「収益で東京ドームへイチローを見に行こう」を目標に結束(鹿児島県鹿屋市)

鹿児島県鹿屋市の柳谷は、高齢化と人口減少が進む、いっけんどこにでもありそうな集落でした。この集落を変えたのは、1996年からスタートした柳谷自治公民館(通称:やねだん)の「行政に頼らない」集落独自の財源確保への取り組みです。

まず集落内の休耕地を利用し、カライモと呼ばれるさつまいも栽培を開始します。当初は事業費もなく労働力を得るのにも困難を極めましたが、若い力が推進力となりました。これを支えたのが、「収益で東京ドームへイチローを見に行こう」という、各世代を横断する共通の目標を掲げたことです。集落内の高校生が大人たちに呼びかけたことで、カライモ生産は加速していきます。

さらに土着菌製造、焼酎「やねだん」の開発により収益が拡大。集落内の施設整備や生活サービス、福祉等の充実、さらには集落全世帯に対して1万円ずつの「ボーナス」が支給されるまでとなり、大きな話題となりました。

高齢者が目立つ地域にあって、腰の重い大人を動かしたのは若い世代の働きかけだったといいます。全世代が一致団結したことで、大きな成果を可能にした事例といえるでしょう。

「男の料理教室」から始まった生涯現役の集落づくり(島根県益田市)

集落全員参加の株式会社で話題となった「萩の会」は、面積の9割が山林という島根県益田市の匹見町萩原地区で誕生しました。

きっかけとなったのは、高齢・過疎化に心を痛めた集落の女性たちが始めた「男の料理教室」。元気づけを目的とした月1回のイベントから始まり、「集落のみんなに居場所とやりがいを」「生涯現役で心豊かに暮らせる集落を」という意識が芽生えていきます。

集落内の空き家を活用し、民宿「わがままおばあちゃんの宿・雪舟山荘」を運営する「民宿部会」、民宿で提供するための米作りを行う「水稲部会」、さらにブルーベリーの栽培・ジャムづくりを行う「ブルーベリー部会」と、個人それぞれの力を活かせる場が次々と立ち上がっていきました。

設立当初は任意団体だった活動も、民宿事業やジャム事業で収益が上がり、株式会社萩の会が設立されるまでになりました。現在では都市部からの子どもたちを受け入れる体験学習や合宿など、メンバーのアイデアが活かされた新しい事業も好評です。

集落全員参加の株式会社は、高齢化に向かう日本において、ひとつの理想的な地域モデルを提示しているといえるでしょう。

参考:中小企業庁「地域活性化100」
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H27/PDF/150617jirei1.pdf

住民の生きがいにつながる町づくりが重要

住民が生きがいや豊かさを実感できる取り組みは、活力ある町づくりにおいて重要です。ここで紹介されているのは、どれも地域の人たち独自の発想によって成果が得られた実例です。地域に対する愛情が、やがては個人の幸せな人生につながっていきます。今後も地方のチャレンジに、期待と注目が集まりそうです。

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