1. 海外情報
  2. 2018.02.13

イスラム圏からのインバウンドで知っておきたい「ハラール」とは

訪日外国人の数が過去最高を更新しているなか、注目されているのが東南アジアなどイスラム圏からの観光客の増加です。信仰上の理由から、食事をはじめとする生活にさまざまな特徴を持つ彼らを誘致するうえで知っておくべき、ハラールビジネスについて説明します。

ハラールとは?

ハラールとは、「イスラムの教えで許されているもの」をさすアラビア語です。イスラム教はアッラーという唯一の神の教えを実践しながら日々を過ごすことを義務とします。例えば、日々の祈祷は旅先でも欠かすことなく実践され、禁じられた食品は口にしません。

食に関するハラールについては、「禁じられたもの(ハラム)以外はハラール」と認識するのが適当です。ハラムにあたる食品は、豚とその派生物、アルコール、血液など。ハラムではない野菜、果物、魚、卵、牛乳などは問題ありません。豚以外の肉類に関しては、イスラムの教えに則った方法で加工処理されていれば食することができます。

「ハラール認証」とは専門家がハラールであることを保証する制度で、認証機関は200以上あると言われています。じつは世界統一基準はなく、その背景にはイスラム教の宗派や宗教指導者の見解に違いがあるためと言われています。

ただし、見解の違いがあっても、ハラール認証の有無はイスラム教徒(ムスリム)にとって明確な基準であることには違いありません。ハラールは「農場からフォークまで」と言われるように、生産工程から調理まで意識する必要がありますが、実現できれば大きなアピールポイントとなります。

インバウンドで期待されるハラールビジネス

世界のムスリム人口は4人に1人だと言われており、マレーシアやインドネシアはムスリムが多数を占める国として知られています。マスターカードと旅行サイトアプリ「ハラールトリップ」が行った共同調査によると、これらの国のミレニアル世代がよく訪れる国の第3位は日本。じつは日本は、ムスリムに人気の国となっているのです。

その背景には、他の国からの訪日観光客と同様に、日本文化の浸透や日本食ブームがあります。マレーシアでは、ハラール対応和牛の輸入が再開されて人気となっており、「本場で日本食を食べてみたい」と思うのは自然な流れのようです。

この状況を受けて、日本国内でもハラール対応レストランが増加したり、祈祷室を設置したりする動きがあります。さらに、この動きを知ったハリージ・タイムズ紙(アラブ首長国連邦)などが状況を紹介し、さらに人気が高まるという好循環が生まれています。宿泊施設の中には、祈祷室やハラール対応メニューの投入により、ムスリム旅行者を数十倍に増加させたケースもあり、ムスリム対応のスピードが差別化につながっています。

ハラールビジネスの取り組み事例2つ

実際にハラールビジネスに取り組んでいる事例を紹介します。

●株式会社こばやし(ハラール牛たん弁当)
大正9年創業の株式会社こばやしは、仙台を拠点に弁当や総菜などを販売しています。ハラール牛たん弁当は、ハラール認証のあるオーストラリア産牛たんを使用し、付け合わせを漬物から甜菜糖で煮た人参に変更。加熱式の容器を使用しており、好きな時にあたたかい状態で食べることができます。宮城県ハラール対応食普及推進事業に参加したことで、メディアなどの取材も増えています。

●伊賀越株式会社(醤油、すきやきソースなど)
明治6年に創業し、天然醸造の醤油や味噌、漬物を製造・販売する伊賀越株式会社は、ハラールに対応した醤油やすきやきソースを開発しています。「HALAL アルコールフリー醤油」は、製造工程で添加物を一切加えず、自然の温度差と麹で発酵・熟成させた天然醸造醤油でありながら、独自の技術でアルコールを限りなく0%にしています。日本ハラール協会の認証を受けたことで、海外で信頼を得ることに成功しました。

正しい知識を身につけビジネスチャンスに

ムスリム人口が多いこともあり、市場拡大に期待が寄せられるハラールビジネスですが、事前に知っておくべきことも多数あります。飲食店を対象としたセミナーや推進事業も増えているため、正しい知識を身につけるチャンスは多くあります。注目度の高い今、ぜひビジネスチャンスにつなげてください。

追加参照ページ
http://igagoe.tennengura.jp/corp/history.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Introduction

あわせて読みたい