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  4. 2018.02.15

世界シェアNO1を誇る中小企業から学ぼう。世界で勝てる仕組みとは?


海外進出を果たし成長を続けている中小企業は、どのような取り組みをしているのでしょうか。ここでは、世界シェア70%を誇る企業に成長をとげた株式会社メトロールの事例を紹介しながら、中小企業が世界で勝てるポイントについて見ていきます。

出典:関東経済産業局「期待される中小企業モデル事例集」より
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/humanresources/data/chusho_model_jireishu.pdf

世界シェアNO1を誇る「精密位置決めスイッチ」

東京都立川市に本社を置く株式会社メトロールは、1976年に創業した産業用機器製造会社です。高い製品開発力、技術力を持ちながらも、商社を介した旧来の流通形態であったため、創業当初はなかなか日の目を見ることができなかったといいます。

転機となったのは、トヨタから依頼された不良品選別のための測定器の開発でした。300万回の動作について2000分の1ミリの誤差しか許されないという厳しい条件下で、「精密位置決めスイッチ」が完成します。

顧客のニーズを聞きながら改良していくオーダーメードでまずは国内の売り上げを伸ばし、英語版自社サイトの立ち上げなどで徐々に世界を視野に入れていきました。当初は企業の購買部からの問い合わせが主流でしたが、個人向けのメールマガジンやDMによって認知度が向上。やがて、海外企業のエンジニアから直接相談されるようになっていきます。エンジニア向けメールマガジンの購読者は2017年現在、海外で2万2000人、国内で3万6000人を超えます。

こうした工夫の積み重ねと、精巧な技術によって「精密位置決めスイッチ」の世界シェアは70%、世界68ヵ国との取引に成功するという偉業につながりました。株式会社メトロールの取り組みと実績は産業界でも大きな注目を集め、「平成26年グローバルニッチトップ企業100選」に選出、さらに「中小企業 IT 経営力大賞2012 経済産業大臣賞」を受賞しています。

世界で勝てる仕組みづくりとは

世界で勝負していくには、単に高度な技術力があれば良いというわけではありません。メトロールが行ったのは、営業支援システムの導入、生産受注管理システムの導入による効率的な事業運営でした。

販売力強化の取り組みとして、営業活動に IT を活用し顧客データ管理を徹底しました。これにより受注率アップを実現します。間接的な役割をもっていた部門は廃し、各部門に権限委譲を行うことでスピード感ある対応も可能としました。

また、既存の市場に頼るばかりでは売上低迷の可能性があったため、主力製品を拡販するための用途開発を行い、新たな市場分野の開拓にも力を入れていきます。持ち前の技術を生かし、エレベーターのディスクブレーキや、脳神経外科用顕微鏡といった医療機械の分野への進出を果たします。これを支えるための生産受注管理システムを導入し、短納期とコスト低減にも成功しています。

このように、自社の強みを生かせる仕組みをしっかり形づくったことで、世界での競争力を高めるための基盤ができていったといえるでしょう。

海外販路開拓のプロセスは?

メトロールの成功は、インターネットの活用が大きな要因となっています。インターネットの直接販売を行うことで商社の仲介マージンが発生せず、エンドユーザーの購入価格は5分の1になったといいます。低価格販売の実現により、利益率も比例的に向上していきます。

また、インターネットの利用により、海外市場の開拓のきっかけが得られたのも大きな成果です。多言語対応のホームページやSNSなどを活用し、小口顧客の開拓にも成功。フィードバックされるエンドユーザーの声を製品開発・改良に生かすことで、よりニーズにマッチする製品を提供するという好循環が生まれました。

海外進出の大きな戦略のひとつに、海外展示会への出展がありました。海外展示会では市場の様子を探り、顧客の有無を確認することを目的としていました。そのため、出展は代理店を通さず、独自に実施するという手法が取られました。経営者自らが手応えを確信したうえで展開を検討し、販路開拓の道筋をつけた好事例といえるでしょう。

海外進出のポイントとなったのは販売力強化

インターネットでの直接販売により海外進出のきっかけをつくったメトロールの展開は、日本の中小企業への大きなヒントとなります。高い技術力を持ちながらも苦戦している会社が少なくない中で、技術開発はもとより、販売力の強化によって成功した事例です。同社に続く、中小企業の活躍に期待したいところです。

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