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  3. 2018.02.19

盆栽、日本酒、和菓子…「日本らしさ」で海外進出した中小企業の成功事例


欧米にはない日本文化の魅力が評価され、海外でも注目を集めることが多い日本ブランド。大企業だけではなく、地方の小さな会社が海外進出を果たして活躍する例も増えてきています。ここでは、中小企業の取り組み事例から、海外展開の成功ポイントを紹介していきます。

出典:ミラサポ「海外展開の成功事例」より

地道な営業活動で知名度向上「株式会社南部美人(清酒製造業)」

株式会社南部美人は、国内有数の酒どころとして知られ、南部杜氏の伝統を受け継いでいる岩手でこだわりの酒造りを行っている会社です。

1997年に「日本酒輸出協会」を立ち上げ、他社に先駆けて日本酒の海外への売り込みを積極的に推進してきました。日本国内での市場縮小とは逆に、海外での日本酒人気は右肩上がりです。各国の首脳が集まる重要会議やイベントでも、ワインと並んで日本酒が用いられることも増えてきました。

しかし、南部美人の海外展開成功への道のりは決して楽なものではなく、販売数・出荷量を増やすためにさまざまな工夫と苦労がありました。

海外の飲食店を1件ずつまわって扱ってくれるレストランを開拓し、地道な営業活動を展開していきます。商品には英名を付け、ラベル表記を英語にするなど、知名度を高める努力を重ねました。そうした苦労が実り、モンドセレクションでは8年連続金賞を受賞、さらに全米日本酒歓評会ではゴールドメダルを多数獲得しています。

知名度、実績ともに認められた現在では、複数の国際線の機内でも提供され、日本酒の代表格として扱われるようになっています。

生産農家に貢献する仕組みで品質向上「ジャパンホートビジネス株式会社(植木・盆栽等の輸出)」

日本文化を象徴する盆栽は、日本人にとってなじみ深いもののひとつです。海外ではその芸術性が高く評価されており、日本人が想像する以上の人気が集まっています。

東京都江東区のジャパンホートビジネス株式会社は、日本国内の需要の伸び悩みから、海外の盆栽ブームに目を転じました。アジアの各国でも盆栽の輸出をしていますが、丁寧に育成され、芸術的な造形美を宿す日本の盆栽は、世界の盆栽ファンから熱狂的な支持を受けています。

同社では、仲介業者を省いて直接生産農家から買い付けを行い、各国検疫条件に合わせた盆栽として出荷しています。無駄な経費を排除したことから得られた売り上げを生産農家へと還元するシステムを作り、盆栽農家の生計の安定化、ひいては品質向上につなげています。

海外販路を広げる施策では、ドイツの日本庭園と提携を行い、“SHOW WINDOW”として商品陳列を実施したことで、ドイツで大幅に売上が向上しました。さらに、海外バイヤー向け専用サイトを立ち上げ、個人愛好家との直接取引の機会を提供しています。

海外には、ライフスタイルに合わせて小さな盆栽を買い求める若者から、本格的な日本庭園を要望するセレブまで存在しています。同社はこうしたさまざまニーズを理解し、高品質の盆栽を提供しながら、海外市場の拡大に取り組んでいます。

丸京製菓株式会社(和菓子製造業)

日本人なら誰もが一度は口にしたことのあるどら焼きは、懐かしさがこみ上げるお菓子のひとつです。しかし、少子高齢化や日本人の食生活の変化に伴い、国内の需要は低迷の一途をたどります。そこで海外市場に目を向けたのが、鳥取県米子市の丸京製菓株式会社です。

現在は年間1億2千万個のどら焼きを生産。日本国内はもとより、海外15カ国で販売しています。

他社との差別化を図るために同社が行ったのは、氷温技術を用いたどら焼きの開発でした。この技術によって添加物なしで日持ちし、うま味やコクが加わったどら焼きが誕生します。

海外進出にあたり、ターゲットとしたのは餡に抵抗感のないアジア圏でした。しかし、スーパーマーケットを中心に営業開始したものの、スタートから4~5年は赤字だったといいます。そこで、社長自らが現地に出向いて取引先や消費者の声に耳を傾け、情報収集を重ねます。先頭に立ってプロモーションを行い、試食販売をくり返したことで少しずつ認知度が上がり、消費者に親しんでもらえるようになりました。

地道にアピールを続けた結果、「どら焼き生産量日本No.1、世界No.1」の現在につながっています。

まとめ

成功している中小企業の事例には、参考になるヒントがたくさんあります。また、初めての海外進出では、専門家のアドバイスや自治体の支援を活用している中小企業も多くみられます。海外展開を検討する際の参考にしてください。

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