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  4. 2018.02.23

海外進出 はじめに知っておくべきこと(第4回)
サンプルを送るときの気を付けたいコト


あなた「お電話ありがとうございます。〇〇機械です!」

外国社「ハロー!オタクノ製品、検討シタイノダケド、サンプル送ッテチョーダイナ!」

あなた「もちろんです!」

外国社「サンキュー!デハ、●●、□□、アト▲▲、××、ソレトネー・・・」

あなた「そんなにたくさん・・・(あれ?サンプルを送るときは何に注意するのだろう)。」



本契約の前に、バイヤーが品質を確かめたいとのことで、サンプルを送ってほしいと依頼がありました。
このようにビジネスにおいて、サンプル品の発送や取り寄せというのは欠かせません。

「たかがサンプル、されどサンプル」

サンプルを送る際には十分気をつけなければなりません。
なぜなら、バイヤーの言いなりに送ってしまってはあなたの会社が大損する可能性もあるからです!しっかりとポイントを押さえておきましょう。

①「サンプル」にかかる費用はどちらが負担する?

それでは国内での取引を例に考えてみましょう。
「サンプル」といえば無償というイメージが強いのではないでしょうか?

貿易取引の場合、国内取引同様に「サンプル」そのものは無償だとしても、輸出通関手続きに関する費用や輸送費が発生します。
これらに関する費用が「輸出者負担」なのか、「輸入者負担」なのかしっかり決めなければなりません。

また、「サンプル」だったとしても、それが通常品と大きさや重さが同じであるならば、輸送費は変わりません。また、輸出/輸入と手続きするにあたり、その費用はかかってきます。
「サンプル」を送ることで、取引に繋がるかどうかを見極め、それによって「無償」、「有償」を決めるのも良いでしょう。

②ちょっと待った!それは「許可申請が不要」のものですか?

「サンプル」であっても、海外とのやり取りである以上、通常の輸出とあまり変わらないので注意が必要です。たとえば、貨物の輸出や技術の提供について、大量破壊兵器等の開発、製造、使用などに用いられるおそれがある場合は許可申請をしなければなりません。
輸出規制のある貨物については、通常品と同様、その規制をクリアしないと輸出できません。ただし、サンプルが少量であれば、別途手続きをすることで、規制対象外となる場合があります。

輸出の申請手続きについては経済産業省の「安全保障貿易管理」にて調べてみましょう。
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/index.html

③インボイスってなんだろう?

「サンプル」の貨物であったとしても輸出するためには「インボイス」という書類が必要です。
インボイスとは、船積された貨物の明細書のようなものであり、また売買契約の履行を示すとても重要な書類です。インボイスには商品名や数量、契約条件、価格、用途、代金支払方法などが記載されます。貿易取引においては必須の書類なので覚えておきましょう。

ここでは「サンプル」なので、無償貨物を送る際の特に注意していただきたい点をお話しします。
・品物の用途には(サンプル、宣伝用、贈答品、返送など)と本体の名前(貨物が何の部分品であるか)というのが分かるように必ず記載して下さい。
・サンプルや贈答品での無償貨物であったとしても、価格を「0円」として申告することはできません。申告価格は、一般的な市場価格を目安に記載する必要があります。極端に安価で申請してしまうと輸入地側で遅延の原因となります。またそこに悪意があると判断された場合には没収、罰金などの措置を受ける場合があります。
・申告価格を記載するときには通貨コードもしっかりと書きましょう。「$」とだけ書かれた場合、「USD」、「SGD」、「AUD」など判断かつきません。それによって関税の影響が変わってきてしまうからです。

今回は「サンプルを送るときの気を付けたいコト」についてお話しました。
サンプルを送ることで、継続的な取引ができるきっかけになったりもします。

サンプルを送るときには郵便局の「EMS」や、または国際配送業者を利用することができます。
貨物にあった手段を選び、貿易取引を進めていきましょう!

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片山 立志/株式会社マウンハーフジャパン 代表取締役

執筆者紹介文:

1952年東京都生まれ。
東京都民銀行を経て、現在、株式会社マウンハーフジャパン代表取締役、嘉悦大学非常勤講師

主な著書、監修書:
「通関士試験合格ハンドブック」、「マンガでやさしくわかる貿易実務(輸出編)」、「マンガでやさしくわかる貿易実務(輸入編)」、「よくわかる貿易実務入門(改訂3版)」(いずれも日本能率協会マネジメントセンター 刊)、「図解 いちばんやさしく丁寧に書いた貿易実務の本」(成美堂出版 刊)、「グローバルマーケティング」、「貿易実務検定 C級合格ガイド」、「図解貿易実務入門」(税務経理協会 刊)など 多数 その他:日本貿易実務検定協会®理事長、金融法学会 会員


会社HP http://www.maunharf.co.jp/
貿易実務、マーケティングに関する教育、研修についてのご相談: info@maunharf.co.jp

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