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  3. 2018.03.05

中小企業の「働き方改革」好事例。人手不足を解消した方法とは?


働き方改革が提唱され、長時間労働や職場環境改善への意識が高まるなか、人手不足に頭を悩ます中小企業が多くあります。国内の労働人口の減少が懸念されるなか、早い段階で何らかの対策を取り始めなければ道は拓けません。ここでは、さまざまな工夫で労働力不足を解消している好事例を紹介します。

参照:経済産業省「中小企業・小規模事業者の人手不足対応事例集」

シニアの活躍で人手不足を解消

平均寿命が延び、一線を退いても働く意欲を持つシニアは多くいます。体力やライフスタイルに合わせた柔軟な勤務体制を整えることで、高い意識を持つシニア世代を確保し、人手不足を解消することができます。

●シニア層の採用で繁忙期を乗り切る「有限会社有吉農園」
北海道で青果を生産する有吉農園は、仕事量に季節性があり、重労働というイメージもあって若手社員の確保が困難となったため、シニア層の労働力に着目しました。4時間の短時間勤務で休憩もとれる体制とし、主婦とシニア10名の採用に成功しています。その後、口コミが広がって新聞に掲載されるまでになり、継続的な労働力の確保ができています。

●継続雇用年齢の定めをなくして技術継承「株式会社潮技術コンサルタント」
潮技術コンサルタントでは、55歳以上の従業員が3割を超え、高いスキルが失われることに危機感を抱き体制を変更することに。定年後の勤務延長の定めをなくし、本人の申し出により時短勤務や曜日選択ができる柔軟な働き方を推奨しました。

高齢でも働きやすい環境にするため駅近くに事務所を移転し、空調や照明も工夫することで高齢者の負担を軽減しています。現在の最高齢は88歳。高齢者と中堅・若手がチームとなって業務を遂行することでスキルが伝承されるのはもちろん、顧客からの信頼獲得にもつながっています。

働きやすい環境づくりで離職を防止

人手不足を解消するには、離職率を下げることも重要ポイントのひとつ。柔軟な勤務体制を整えるほか、スタッフのモチベーションを向上させる工夫も大切な要素です。

●子育て・介護と仕事を両立できる環境を作った「有限会社COCO-LO」
訪問介護を行うCOCO-LOは人材確保に苦戦する中、社員2名が同時に妊娠したことで、社員を守れる会社を目指すことを決意。準社員(短時間正社員)制度を導入し、正社員も含めて柔軟な勤務形態を選べるように変更しました。

年次有給休暇の時間単位取得を認めたり、社内に無料託児室を設置して授乳や親子一緒の昼食を可能にしたりなど、育児中の女性にとって働きやすい環境づくりに注力しました。これらの取り組みで、新規スタッフ募集の際には4名の採用枠に対し20名の応募という成果も得られました。育児休業明けの職場復職率が100%となり、質の高いサービスの提供を継続的に行えるようになっています。

●従業員満足度向上で離職率44%からゼロに「株式会社OZ Company」
企業内保育所事業を受託するOZ Companyでは、離職者が多く、スタッフ間の関係性が悪くなってサービスも低下するという課題を抱えていました。保護者からのクレームが発生し、さらに離職が進むという悪循環に陥り、2012年の離職率は44%にまで上昇しました。

そこで、ビジョンを明文化するとともに、残業ゼロ、有給完全消化を目指したほか、同一労働同一賃金制度も導入。パート社員も含む「日替わり園長制度」を導入し、意識改革を促しました。結果、2015年の離職率はゼロとなり、サービスの質が向上したことで園児数が増加しています。

人材を育てる取り組みで戦力を強化

マンパワーを最大化するには、人材を「どう育てるか」がキーポイントです。人材育成には技術だけでなく、マインドも忘れてはなりません。

●モデリングを利用して人材の早期育成に成功「有限会社原田左官工業所」
店舗内装や一般住宅の左官工事を行う原田左官工業所は、見習工を採用しても育成方法にバラつきがある上に、すぐに辞めてしまう人が多く、早期育成と人材定着を課題にしていました。

そこで、ベテラン職人の動きをビデオで学び練習をする「モデリング」の導入を行い、1年かかっていた訓練を1ヶ月に短縮。女性左官職人の育成にも力を入れ、育児と仕事の両立を支援したことで定着率が上がっています。

●副業を推奨し、経営意識の高い人材を育成「株式会社エンファクトリー」
ローカルプレナーを支援するエンファクトリーは、スタッフの自立を応援する目的から「専業禁止」を掲げ、副業を推奨しています。会社への申請の必要はなく、半年ごとに財務などを共有して刺激しあう機会もつくっています。これは、社員に経営者意識を身に付けさせることで、自社の変革の力に変えようという考えからの取り組みです。実際に残業が減り、新規企業との取引につながるといった効果も得られています。

人手不足は工夫次第で乗り越えられる

従業員一人ひとりの働きが業績に直結する中小企業では、人手不足は深刻な問題となります。新たな勤務体制を設定して、これまでとは違った層の採用を試みたり、労働環境への配慮で定着率を上げたりなど、人手不足解消の手法はひとつではありません。さまざまな企業の取り組みを参考にしながら自社に最適な方法を思案し、早期に取り組みをはじめてはいかがでしょうか。

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