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  3. 2018.03.13

働きやすさと生産性を両立する職場はこうつくる!成功企業の取り組み事例


少子高齢化が進むなかで中小企業が持続的な成長を遂げるには、労働者一人ひとりをいかすための工夫や人材育成が必要不可欠です。組織の在り方を変えていくことで、成功へとつなげている会社は少なくありません。厚生労働省が創設した「働きやすく生産性の高い企業、職場表彰」2016年度の受賞企業から、ヒントとなる取り組み事例を紹介していきましょう。

出典:厚生労働省「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」
http://koyoukanri.mhlw.go.jp/award/data/example.pdf

製造業を面白くしたい~「株式会社河合電器製作所」

愛知県名古屋市に立地する株式会社河合電器製作所は、半導体製造装置の部品生産を行う、総従業員数 133名の会社です。厨房設備、ETCレーン、医療機器などに搭載する業務用ヒーターの開発、生産、販売とそのアフターフォローを主力事業としてきました。

モノづくりの会社として長らく顧客の要請に従った製造を続けていましたが、社員のやりがいが低下してきたことに危機感をもったといいます。そこで考え出されたのが、「ワクワクするモノづくり」というキーワード。生産者自らがワクワクしながら顧客と共に新しいモノを生み出していこうという方向に転換し、社員自身の意欲が成長の原動力となりました。

労働生産性向上への取り組みの柱は、「ゼロイチプロジェクト」と海外企業との取引強化です。顧客の声を取り入れながらゼロからの製品開発を行うソリューション提供型企業として、国内はもちろん、アメリカ市場の開拓も行いました。新規顧客の幅を広げるため、外部の専門家との契約や北米事業推進部を設置するなど、世界を舞台とするための積極的な戦略を展開しています。

働きやすさ改善に向けては、育児や介護など個人の事情に合わせた働き方を選択できる体制を整えています。これを支えたのが、「やらないことを決める活動」や、「おたがいさま」の精神を育む組織づくりです。柔軟な労働時間を実現するうえでは、社員間の不公平感がネックとなることがありますが、同社では「規則よりも風土」という合言葉を掲げ、中小企業ならではの結束力を働きやすさにつなげることに成功しています。

社員全員参加の経営~「旭テクノプラント株式会社」

岡山県倉敷市の旭テクノプラント株式会社は、電気・通信設備などの設計、施工、保安を行う現場管理の専門会社です。

取り組みのきっかけとなったのは、優秀な人材の採用と定着という地方の中小企業ならではの悩みです。就職難を受けた「不本意な入社」という意識の社員の存在が、危機感を与えました。そこで、たとえ「不本意入社」からスタートしたとしても最終的に「辞めたくない会社」であれば良いのだ、という発想の転換をもとに、制度や仕組みの改革がスタートします。

社内の一体化を図るため、経営理念・社内行事、社員と家族の誕生日などを記載した「Powerbook」の配布を行い、情報共有の徹底を図りました。全社員参加型の経営会議など、当事者意識を促進する意識改革も実施しています。

特にユニークなのは、上司の承認なしに自らのアイデアを提案できる「創意工夫提案制度」の導入です。ただ提案するだけでなく、具現化を推し進めるリーダーとして経営者と同じ視点で事業にかかわっていくことで、事業と人材の成長につなげています。ここで出されたアイデアから、新規事業や新制度が誕生しています。

働きがいのある会社を目指した取り組みでは、ベテランから若手への技術継承の場を積極的に設けています。また、社員が社員を称賛し感謝する「ありがとうカード」という制度をつくり、モチベーション高く働ける組織づくりを行っています。

社員が成長できる機会が多数用意されていること、また、社員同士でそれを評価しあう仕組みを設けていることで、生産性とモチベーションの双方を効率的に高めている好事例といえるでしょう。こうした取り組みによって、社内調査での社員満足度は90%近くに達し、顧客満足度も高い数値を維持しています。

イキイキ働ける環境を整備~「サントリーシステムテクノロジー株式会社」

大阪府大阪市のサントリーシステムテクノロジー株式会社はサントリーグループのITソリューションを同グループ各社に提供しており、業務アプリケーションの開発・運用、情報通信基盤の構築・運用、先端技術開発、デジタルマーケティングなどを行っています。

グローバル化や事業拡大に伴い、大手グループ企業のIT担当会社としての重責を担ううち、従業員の「心身不安感・疲労」の悪化が目立つようになりました。そこで改善策として打ち出されたのが、「イキイキプロジェクト」です。

「会議&メール半減活動」による時間効率の向上化を図りながら、社員同士が感謝の気持ちを伝えあう「サンクスカード」の導入を行っています。さらに「廃止・集約・入れ替え・簡素化」の観点から、業務全般の改善に向けた具体的な施策を決めました。これにより、問い合わせ件数やシステム障害発生数が減少し、約4時間の平均残業時間削減を達成しています。

働きやすさを目指した取り組みではテレワークを導入し、柔軟な働き方を支援しました。導入半年後には社員の42%がこの制度を利用し、ワークライフバランスを実現しています。また、「5%ルール」という年間労働時間の5%は自己研鑽にあてる制度を設け、自律的な成長をサポートしています。

好循環のポイントは従業員が主役の組織づくり

労働生産性の向上は中小企業の大きな課題です。しかし効率化を進めるあまりに従業員を置き去りにしてしまっては、逆効果となることもあります。企業側の都合ではなく、労働者にとって働きがいがあり、働きやすいことが好循環を生むポイントとなります。成功をおさめている取り組みを参考に、より良い組織づくりを検討してみてはいかがでしょうか。

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