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  3. 2018.03.20

社会的評価が高まる「健康経営」とは?中小企業が取り組むメリット


長時間労働などによる従業員の心身の健康状態が問題視される近年、「健康経営」というキーワードが注目されています。経営側が積極的に社員の健康管理に関わることで、生産性や企業経営の健全化につながるという考え方です。健康経営に取り組むメリットや、具体的に実施している企業の事例を紹介していきます。

健康経営とは

健康経営は経済産業省により、次のように定義されています。

『従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること。』

※引用:経済産業省 商務情報政策局ヘルスケア産業課「企業の『健康経営』ガイドブック」

これまでは個人や福利厚生に任せられていた社員とその家族の健康について、会社の経営戦略のひとつと位置づけ、経営側が積極的に参加していく動きです。

背景にあるのは、生産年齢人口の減少による働き手不足、医療費の増大による健康保険料上昇にともなう企業負担の増加などがあります。

労働力を確保する策として雇用延長を行う場合、従業員の健康状態は会社の経営を大きく左右します。健康的な社員が多い会社ほど健全な経営が可能になるという観点から、健康経営に乗り出す企業が年々増えています。

健康経営に取り組むメリット とは

健康経営を投資として考える場合、企業側が取り組むメリットには次のものが挙げられます。

●労働生産性の向上
社員一人ひとりの最大のパフォーマンスを引き出せれば、効率の良い企業活動が実現できます。逆に、心身が不調な社員ばかりでは、どれほどトップが頑張っても好ましい成果は期待できないでしょう。

●健康問題による経営リスクを回避
社員の健康維持が可能となれば、医療費負担の軽減や疾病による長期休暇取得率の低下など、実質的な損失の減少につながります。また、国が奨励する健康経営の施策に従い法令を遵守することで、労働問題などの経営リスク回避にもなります。

●社会的評価を得られる
経済産業省と東京証券取引所では、「健康経営銘柄」の選定を行っています。健康経営銘柄に指定されると、将来的にも安定した経営力を持つ企業として投資家の注目が集まります。また、取引先の選定材料とされる可能性もあります。

●優秀な人材確保に有利
最近では学生のあいだでも健康経営銘柄の認知度が上がり、社員に無理を強いない安心な「ホワイト企業」として認識されているため、就職したい企業ランキングが上昇する傾向にあります。社員の健康に配慮する会社として企業ブランドの向上に貢献し、新入社員の確保、人材の流出防止の役割を果たします。

健康経営銘柄に選ばれている企業の取り組み事例

2017年健康経営銘柄に選出されている企業が行っている、取り組みの一例を紹介します。

●株式会社ローソン
経営トップがCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー)となり、率先して健康経営に取り組んでいます。人事本部内に「社員健康チーム」を設置するなど、全社体制での健康増進を行っています。

ICTを活用して、生活習慣病、メンタルヘルス、糖尿病予防に対する観察と重症化対策をとっているほか、BMI・血圧・脂質・血糖の変化を可視化した「ローソンヘルスケアポイント」の導入など、社員の健康状態に迅速に対応できる仕組みをつくっています。

●テルモ株式会社
医療機器開発で知られるテルモ株式会社では、経営陣をはじめ各部署が緊密な連携を取りながら、健康経営策を進めています。

予防・早期発見を目的とした健診やセミナー・イベントを実施しているほか、運動量計の配布による体温上昇キャンペーンを推進。さらにキャンペーン時にデータを収集して、メタボ解消や定期健診値改善、医療費適正化などの取り組みを実践しています。

禁煙外来補助制度や産業医による禁煙セミナーなど、生活習慣の改善の視点からも社員の健康の底上げが実施され、健康経営の一端を担っています。

企業の成長に必要な投資という位置づけ

健康経営とは福利厚生の延長線上にあるものではなく、企業が成長するための投資といえるでしょう。会社組織の根幹をなす社員の健康を将来に続く財産と考え、戦略的に向上させていくのが健康経営です。人的資源が業績に大きく影響する中小企業にこそ、健康経営への積極的な対応が望まれます。

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