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  4. 2018.02.28

キラリと光る!中小企業(第3回)
ハンドメイド、コスプレ、ものづくり体験。老舗染料メーカーがニーズを広げる「somenova」


デザイン・フェスタを始め、全国各地で開催されているハンドメイドフェス。

実際に足を運んでみると、ハンドメイドを趣味とする人々の多さに驚かされます。たくさんのブースで販売されている品々は市販品にはない、作家本人の好みやこだわりが強く反映されたもの。こだわりを突き詰めていくと、布やビーズ、ボタンまでも自分で染めたいと思うようになるのでしょう。

ハンドメイドの作品を作る人々に静かな人気を集めているのが、みやこ染めの名前で知られる桂屋ファイングッズ株式会社の染料です。

桂屋ファイングッズ株式会社の創業は明治23年。家庭用染料「みや古染」の販売する店を現在の中央区日本橋に開店したことから始まります。

「みや古染」は古い着物を染替えするための染料として、物不足だった当時の人々のニーズに沿い好評を得たのだそう。その後、家庭用染料の開発を続け、環境にもやさしく、様々なタイプの素材を染められる染料を発売。

現在ではハンドメイドを楽しむ方のほか、コスプレの衣装やウィッグを染めたいというコスプレイヤーの方にも広く親しまれているのだそうです。

そんなニーズの広がりを受けて、自分で好きな色に染める楽しさを知ってほしい、趣味を思いきり楽しめる場を提供したいという想いで、2017年6月にオープンした、染色スペース「somenova」。そちらで開催しているワークショップ「夢絞り染め体験」に参加させていただきました。


「染め物ができるスペースは少ないんです。家族の目を気にせず思いっきり作業したいっていうコスプレのニーズもあるんですが、場所貸しをしているところは全国でも珍しいですし、銀座にほど近い日本橋という場所にあるのも好評で、レンタル作業スペースとしても活用いただいています。」と話すのは五代目の青山伸一社長。染料の使い方教室のほか、染め物と組み合わせてアクセサリーや小物を作るワークショップや作業場としてのスペースレンタルという3つの用途で使われているのだそうです。


今回体験させていただく夢絞り染めは、桂屋ファイングッズが考案したもので、透明な筒の中に風呂敷大の布をランダムに皺ができるように詰め、筒に空いた穴から染料を自由に流し込むことにより、わざとムラになるようにして幻想的な模様を作り出す染め方。

体験時間は放置時間も含め、1時間半~2時間程度と気軽に体験できるワークショップです。桂屋ファイングッズの社員である福島先生から簡単に作業の流れを伺い、さっそく作業に取り掛かります。

このワークショップで使うのはミーリングカラー&ダイという反応染料。この中から自分の好きな2色を選びます。二つの色が混ざり合うため、あまり似た色にしてしまうとあまり変化がでないそう。混ざった色を想像しながらそれぞれこちらの2色を選択しました。

絞り染めと言えば布を糸などで縛って染めるものが一般的ですが、縛らずに染める方法もあるそうで、その場合は筒に詰め込むときの皺のでき方によってふんわりとした染め具合になるそうです。

今回は2人は輪ゴムで縛る方法、1人は縛らない方法にチャレンジすることにしました。筒の中に布を詰め込む過程では、ランダムにいろんなところから布を入れ込んでいくのがコツだそう。輪ゴムで縛る場合は縛ったところが外側に来るように筒に入れます。

筒に詰め終わったらいよいよ染めの作業。たくさんのビーカーやシリンダーが並ぶ理科室のような部屋に移動し、染料を溶かします。ビーカーに染料を入れ、30~45℃のぬるま湯で溶き、染料がよく溶けたら食塩、製品に付属している定着剤を入れます。

布を詰めた筒をぬるま湯に浸し、よく揉んで浸透させた後、染料液を筒にあいた穴から、色が混ざり合うように2色交互に流し入れていきます。

出来上がりが想像できないため、最初はおそるおそる、「出来上がりは見た目の色よりだいぶ薄くなりますよ」と声をかけていただいたことで、だんだんと大胆になっていくわたしたち。染料をしみこませた筒はこんな感じになります。

2色がどのように出るのかちょっと不安ですね…

ここまで終わったらいったん放置。20分程度待ちます。この待ち時間に大変貴重なものを見せていただきました。創業当時に売られていた染め粉や板絞り器など、会社の住所が「東京市」と書いてあることから、大変古いものだということがわかります。色見本の色名も「平和色」や「納戸色」などあまり現代ではなじみのない名前が並んでいました。

日本人が昔から楽しんできた染めの文化を守り続けてきた歴史を感じます。

おしゃべりを楽しんでる間にあっという間に20分経過。仕上がりはどうなっているでしょうか?筒の様子を見に行ってみると2色のうち濃い色のほうが全体に回っていて、2色が綺麗に出てくるのか少し不安になりますが、とにかくすすいでみます。筒から布を取り出し、まず冷水で洗い流したら、中性洗剤を入れた熱湯で揉み洗いをしていきます。

洗っているうちにだんだん色が落ち着いていきます。ジャブジャブ染料液を注いだつもりですが、中心部は皺になっているため、染料液が浸透せず白い部分が残っているのが見えます。おおかた色が出なくなったら脱水し、ドライヤーで乾燥させます。輪ゴムで縛った染め方をした場合、濡れたままゴムを解いてしまうと染料が浸食しはっきりした模様がなくなってしまうため、半分乾いたくらいのところで輪ゴムを解きます。

いかがでしょうか!!なかなか個性的な3枚ができました!

敷居が高いような気がしていた染め物ですが、想像していたより簡単に染めることができ、仕事だということを忘れて本気で楽しんでしまいました。余った染料をお土産にいただいたので、Tシャツを染めてみたり、家でも何かの染め物にチャレンジしてみたいと思います。

いろいろな種類の染料を手芸用品・自社ネットショップで販売している桂屋ファイングッズ様ですが、アリババ ワールドパスポートのお客様でもあります。

海外からはどのような反応があるか青山社長にお聞きしてみると、「未だ未だメイドインジャパンのブランド力は強いと思います。染料についても日本製に対する海外ユーザーの関心は高いですね。海外からの問合せもこのところ増えています。」と海外に可能性を感じていらっしゃるようでした。

会社に戻ってから、TwitterやInstagramで”みやこ染め”や” コールダイオール”といったキーワードで検索してみると、たくさんの画像や投稿を見つけることができました。布の染色だけでなく、ドールの髪色を変えたり、白スニーカーをグラデーションで染めてみたりなど、皆さんとても上手に使っていて、手作りを楽しむ人の中ではとてもメジャーなブランドなのだと改めて感じました。

Somenovaでは夢絞り体験だけではなく、染めと日本刺繍で作るスマホカバーやオリジナルタンブラーなど、様々なワークショップを開催しています。
興味をお持ちの方は是非予約してみてください!
somenoba WORKSHOP ~染色体験~


桂屋ファイングッズ株式会社
http://www.katsuraya-fg.com/

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Introduction

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