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  2. 2018.05.21

個人の信用が数値化されるとどうなる?AIスコアとは


新たなフィンテックサービスとして「AIスコア」が話題になっています。個人の信用度を可視化することでさまざまなサービス優遇の基準となり、私生活においても高いスコアが社会的に有利な状況をもたらす可能性があります。

世界の中でも信用力のスコア化が進んでいる中国の事情を紹介しながら、AIスコアがどのような影響を及ぼすのかをみていきましょう。

中国で進む信用のスコア化

社会主義体制を維持してきた中国では、国が個人情報を一元管理することについての抵抗感が少ないという背景もあり、政府が中心となって社会信用システムの強化がはかられてきました。
2016年には個人信用に基づいて、公共交通機関のチケット購入を制限するなどの措置を定めた「個人信用体系建設の指導に関する意見」を発表しています。

中国の信用スコアといえば、アリババの決済サービス「アリペイ」が提供する「芝麻信用」です。芝麻信用のスコアは、一般的なクレジットカードの優遇サービスの枠を超え、社会的な影響力を持っています。

中国の信用スコアリングは取引の場を始めとする日常のさまざまなシーンで、相手が信用できるかどうかの共通の基準として重宝されており、社会インフラの役割を果たしています。

たとえば、芝麻信用で600点以上の信用スコアがある人には、雨傘やモバイルバッテリーの無料貸し出しを行うといったサービスも提供されています。市民生活に欠かせない自転車のシェアリングでも、高スコアであればデポジット不要で利用できるといった具合です。
その他にも、空港の優先ゲートの利用や他国のビザ取得など、幅広い分野での優遇が見られます。

スコアの数値が婚活にも影響?!

芝麻信用のスコアリングは個人の行動履歴から信用を数値化したもので、その影響力は広く社会生活に及んでいます。

9000万人以上のユーザーが登録している婚活サイトの「百合網」でも芝麻信用を活用しており、プロフィール欄に信用スコアが表示されます。とくに女性が相手を選ぶ際には、信用スコアの数値を評価基準とすることが多いため、信用スコアが低い男性は結婚への道のりが遠くなる可能性があります。また、大企業でも個人信用の基準として芝麻信用を採用しており、信用スコアの高さが就活の成功にもつながってきます。

これほどの信用力を持つ芝麻信用では、どのようなスコア化が行われているのでしょうか。算出方法については公表されていませんが、以下のようなデータが利用されているといわれています。

・学歴や職歴などの一般的な経歴
・不動産、自動車などの資産状況
・アリババ通販サイトの支払い状況
・アリババ系列のSNSにおける人脈

日本の信用情報機関でもクレジットカードやローンの返済といったデータを扱っており、個人のクレジットヒストリーとして評価されますが、中国ではよりプライバシーに踏み込んだ個人の情報が評価対象に組み込まれているようです。

日本初、個人の信用をスコア化する「J.Score」とは

日本でも個人信用のスコアリング実用化が始まっています。みずほ銀行とソフトバンク共同出資による「J.Score」は、AIが個人情報をビックデータに照らし合わせて信用度を数値化するシステムです。個人向け融資サービスの一環として開始した「J.Score」では1000点を上限として個人信用スコアが算出され、自分に適した融資条件を確認することができます。

興味深いのはAIによる質問が、一般的な個人情報に留まらないことです。勤務先や資産状況といった項目はもちろんですが、収入から毎月の支出、生活習慣、語学力、趣味嗜好まであらゆる項目への回答が求められます。

洋服を購入するときに重視する点や、好むスポーツ、性格診断など、一見融資には関連性がないと思われる項目の入力によって、借入の条件が変動していきます。AIがその人物の将来までを予測し、融資条件に反映させるという、これまでには見られない画期的なシステムとなっています。

個人の信用スコア化が一般化すれば、中国のようにさまざまなサービスに応用される可能性もあるかもしれません。ライフスタイルや将来設計への提案など、新たなビジネスが生まれる可能性もでてくるでしょう。

新たな共通基準として浸透する可能性も

日本と中国では、社会の成り立ちや民族的な意識も大きく異なっていますが、グローバル化が進む時代にあって、個人信用の可視化は共通基準のひとつになる可能性を秘めているといえるでしょう。今後、個人の信用力を客観的に判断できるもののひとつとして、日本でも信用スコアが浸透していくかもしれません。

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