1. 販路開拓
  2. 販売チャネルを広げる
  3. 2017.09.05

中小製造業の販路拡大策!売上アップの方法を考える3つのヒント


「売上を増やす」ことは、多くの中小企業経営者にとって常に頭から離れない課題です。
会社というものは、より多くのお客様に支持されるほど経営が安定し、従業員とその家族の生活を守ることができます。
そして「多くのお客様に支持される」ことによって得られるのが「売上向上」です。
もちろん簡単にできることではありませんが、不可能でもありません。
一見たいして特色もなさそうに見えた会社や商品が、ちょっとした方法を見つけたことから大きく成長する事例はいくつもあります。

既存の商品を売るか、新しい商品を開発して売るか

まず考えなければならないのは、「既存の商品を売るか、新しい商品を開発して売るか」です。

ヒント1:消費者向け商品の拡販には「物語」が武器になる
「既存商品」で販路拡大を果たした例としては、近年有名なところでは大阪限定の食習慣だった「節分に太巻き寿司を食べる」という文化が全国的に広まったケースがあります。

このきっかけはある全国的なコンビニチェーンが「恵方巻」という名前で全国的に発売したこととされていますが、商品自体は要するに太巻きであって、とりたてて特別なものとは言えません。
しかし、「節分の日に食べると縁起が良い」という理由づけとともに大々的なプロモーションを行うことにより、現在では広い地域で販売されるようになりました。


同じように「バレンタインデー」もまた、チョコレートというもともとあった商品に「恋愛イベント」という意味を持たせることで現在はお菓子業界のビッグイベントになっています。
もちろん、細かく言えばバレンタインデーのチョコレートは専用にデザインされているため、「既存の商品」とは言えない面もありますが、包装を除いた中身のチョコレート自体は昔からあるものでした。

こうした事例からわかるのは、消費者に既存の商品を拡販するためのポイントの1つは「物語」だということです。「縁起が良い」「恋愛イベント」という物語がなければ、単に商品だけの力ではどちらも現在ほど広まることはなかったでしょう。消費者向け商品の新規開拓をするには「物語」は非常に大きな要素です。



ヒント2:培った技術を生かして新商品を開発する
一方、「新しい商品」で新規顧客を増やした例としては、楽器の修理・製造をしていた会社が木工と金属加工の技術を買われて航空機用プロペラの製造を手がけるようになり、さらにエンジンも作りオートバイまで売り出して世界的メーカーとなったヤマハ発動機、主力の写真フィルム需要がデジタル化により激減する危機的状況の中で医薬品・化粧品や液晶材料事業を開拓して乗り切った富士フイルムなどの例があります。

この2例に共通するのは、「新しい商品」と言ってもまったく畑違いの分野ではなく、それまで培ったコアな技術が活用できる領域を見つけて事業創造を果たしていることです。
消費者向けとは違い、産業用の分野では「物語」はあまり重要ではないため、技術を持っている会社にとっては商品自体の性能・品質で勝負しやすい領域と言えます。

既存の市場に売るか、新市場を開拓するか

考えるべきもう1つの軸は、「既存の市場に売るか、新市場を開拓するか」です。

たとえば、ある食品問屋がとても美味しいタマネギを仕入れられるようになり、それを取引先の料理店Aに売り込んで人気メニューが生まれたとしましょう。
そこで今度は近くの料理店Bに売り込みに行き「料理店Aさんで大人気のメニューに使われているタマネギです」と言えば、買ってくれることをかなり期待できます。
人間は自分と同じ業界にいる他者のことは気になるからです。
しかし、そのセールストークを近所の学校や病院の給食室に言っても、そもそも興味も持ってくれない可能性が高いでしょう。

前者が「既存の市場に売る」ことで、後者が「新市場の開拓」に当たります。


既存市場では「御社の同業他社さんでも使われています」という形で「実績」を示すのが簡単なことが多く、場合によっては紹介も得やすいため、販路開拓がある程度楽になります。

新市場ではその手が使えない上に、売り込みのポイントもしばしば違います。

たとえば「料理店」にとっては他店の人気メニューは気になるものですが、学校や病院の給食室にはそもそも「人気メニュー」を作ろうという発想が希薄です。

この ように性格の違う顧客を開拓するのは難しいものですが、もし1つでも成功すれば「これまでは料理店にしか売れなかったものが学校・病院にも売れるようになる」わけで、一気に潜在市場が開けて大きな成果が得られる可能性があるというのは魅力です。

新市場を開拓するなら海外販路拡大という道もある

新市場を開拓する場合に考えておきたいのが、海外に販路を拡大する道もあるということです。

もちろん、そのハードルは高く乗り越えるのには苦労します。
言葉の壁や商習慣、生活習慣の違いに加えて、代理店の獲得、営業、与信、輸出、通関、代金回収、広告宣伝、パッケージング、説明書の翻訳、市場に合わせた商品の調整、保守運用体制の構築等々、数々の慣れない苦労を一からしなければなりません。
簡単なことではありませんが、だからこそ成功したときは国内の競合他社がいない状態で成長率の高い海外市場を独占できることがあります。

ヒント3:海外も含む新しい販売エリアを開拓する
たとえば、自動車会社のスズキは成長著しく大人口を抱えるインドでの自動車販売シェアがダントツのトップメーカーですが、それができた背景には

 ■他社より10年以上早い1983年にインド進出を果たした
 ■低価格の小型車を製造することができた

の2点があるとされています。

当の鈴木修会長は2007年の講演で、「本当は我々も大手と同じように先進国に進出したかったが、先進国の中で軽自動車のような小さな車を造ってほしいと言ってくれる国はどこにもなかった。別に先見の明があったわけではなく、行くところがなくて仕方がないからインドに行ったのだ」と語っています。

ここから得られる教訓は、国によって地域によって「ニーズ」と「競合」の状況は千差万別であり、どこかに勝ち目を見つけることはできるということです。
海外進出に当たっての数多くの高いハードルも、すべてを自力で乗り超える必要はありません。
有力なパートナー企業や専門家に相談することで協力が得られ、乗り越えることができた事例も数多くあります。

まとめ

販路拡大は多くの中小企業にとって永遠の課題です。

そのために「既存の商品を売るか、新しい商品を開発して売るか」、「既存の市場に売るか、新市場を開拓するか」という2つの観点で自社の技術・商品と対象市場を洗い出し、戦略を考えましょう。
現代では、成長著しい海外マーケットも新市場としては欠かせない候補と言えます。

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