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  3. 2018.08.20

中小企業の海外戦略を本気で考える(第2回)
海外の販売パートナーの種類


それでは海外の販売パートナーの種類について説明していきましょう。
海外の販売パートナーとしてはディストリビューターとセールスレップ(エージェント)の2種類の形があります。

一般的に思い浮かべられるのはディストリビューターです。
彼らは、御社からモノを買って、所有権を持ち、それをまた誰かに売ります。
よって御社(日本企業)の立場からすれば、現地ディストリビューターに売った時点で取引は終了しています。

ディストリビューターが、最終的に誰に幾らで売っているのかは、御社の方に情報として入ってきません。
よって、例えば10万円で売った製品に10倍の値段をつけて100万円で卸しているというような事も起こりえます。文句を言っても始まりません。彼ら(ディストリビューター)とすれば、「買って自分のモノにしたから、幾らで売ろうが自分達の勝手だろう」と言えるのです。

それに対してセールスレップ(エージェント)は御社(日本企業)からモノを買うわけではありません。
買わないとすると何があるかというと「合意」があるのです。
「我々はインドで医療製品を販売するセールスレップです。御社(日本企業)の製品をぜひインドで売らしてください。そしてもし売れたら10%の成功報酬をください」といった申し出に「合意」することによってインドにおけるセールスレップになってもらうのです。

彼らが売り込みに成功した場合は、製品は御社から売込み先に直接送られます。
また代金も売込み先から御社に直接に支払われます。
その後で成功報酬として、御社からセールスレップに例えば売上の10%の金額が払われるのです。

ここで注目すべきことは、彼らは最初から最後まで、製品の所有権を一度ももっていないという事です。
彼らはまさに販売の代行だけをしているのです。
所有権を持つか否かは二者択一ですから、どんな販売パートナーも上記2つのどちらかに分類されます。

ですから、単純化すれば、海外輸出は3つのパターンしかありません。

1)御社(または御社子会社)から、直接にエンドユーザーに売る

2)買って再販してくれるディストリビューターを使う

3)買わずに販売代行するセールスレップを使う

の3つです。海外販路開拓とはこの3つをどう組み合わせるかという問題なのです。

よって御社に海外から問い合わせが来た場合は、相手に聞かなければなりません。
「あなたはエンドユーザーですか? ディストリビューターですか? セールスレップ(エージェント)ですか?」という事です。それによって提示し交渉すべき事項が変わるからです。

相手がエンドユーザーなら、提示するのはエンドユーザー価格です。一番簡単です。

ディストリビューターならディストリビューター価格。これはエンドユーザー価格と差をつける必要があります。でないと、長期的にディストリビューターがその国で生きていけない、つまり育たないからです。

最後にセールスレップ(エージェント)であれば、交渉すべきは販売価格もそうですが、彼らの成功報酬率、期間、販売地域などです。

この3つをうまく組合せ販路を作るのは、実際にはそれほど簡単ではありません。
それぞれに利益背反する部分があるからです。
しかし、まずその3つの相手がいるという事は頭に入れておきましょう。
問い合わせをくれた人・会社の性質を考慮せず、誰であろうと、エンドユーザー価格だけを一律に提示しているようでは、いつまでたっても、海外に販売パートナーは育たないからです。

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大澤 裕/株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン

執筆者紹介文:

株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン (http://www.ppmj.com)
代表取締役 大澤 裕
慶応義塾大学経済学部卒。米系銀行の企業金融部で日本企業の海外進出支援業務従事。カーネギー・メロン大学経営学修士課程において特許製品の販路開拓方法を学ぶ。2000年米国においてピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。日米企業を結ぶ業務を行う。海外の販路開拓一般についてのアドバイスを各地公共団体でも行っている。

「中小企業が『海外に製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」(ダイヤモンド社)
「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」(ダイヤモンド社)

お問い合わせ先
㈱ピンポイント・マーケティング・ジャパン   
神奈川県横浜市中区不老町1-1-5東芝ビル
電話:045-264-4671  Email:info@ppmj.com

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